語り部さるたのおすすめ日本の民話 100選

さるたびこは、日本の神話に登場する導きの神様です。その名に因んで、語り部さるたが、日本の各地に残る、民話やむかし話を語ります。

みみずの声と蛇の眼

みみずの声と蛇の眼

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春になると、溝のふちなどで鳴く虫があります。


あれは、みみずだと言われていますけど、おじいちゃんやおばあちゃんは、「あの声は、むかし、蛇からもらったものなんだよ」
と、よく、話してくれました。


むかし、蛇は、たいそう声がよくて、いい声で鳴いていました。


けれども、眼がなくて不自由していたので、なんとかして眼をほしい、とねがっていたそうです。


ところで、蛇がいい声で鳴くのを、うらやましく思い、自分もあのような声がほしいと、かねがね思っていたのが、みみずでした。


みみずには、そのころは、いい眼があったそうです。


ある日、みみずは、蛇にむかって、「お前の、そのいい声をわたしにくれないか」と、頼んでみました。


すると、蛇は、「よかろう。それなら、声をやるから、お前のその眼と取りかえてくれ」と、言いました。


そこで、たがいに、ほしいものと交換したのだそうです。


みみずは蛇の声を、蛇はみみずの眼をもらいました。


それで、いまでは、みみずは鳴くようになったけれど眼がなくなり、蛇には眼があるけれど鳴かなくなったそうです。

 

 

 

 

 

東北から中部地方にわたって、多く伝えられている話です。
ミミズが眼を交換する相手は、モグラや蛙などの話もあります。。

(神奈川県藤沢市円行)

 

 

 

藤沢の民話 犬の足

犬の足


あるとき、犬が、足にけがをして、たいそうこまっておりました。


たまたま、そこを通りかかった弘法大師さまが、それをごらんになり、あわれに思われて、けがをなおしてくださいました。

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おかげで、犬の足はもと通りになって、歩いたり走ったりできるようになりました。


それからというもの、犬は、弘法さまになおしていただいた足をだいじにして、もったいないから汚さないようにと、その足を上げて、おしっこをするようになったのだということです。

 

 

 

犬が片足を上げて小便をする、犬の習性のいわれを説く昔話です。


このような昔話は、東北地方から奄美大島にいたるまでの各地にあるようです。


ほとんどの話が、犬の足が三本しかなかったので、もう一本つけてもらった話です。


足を授けるのは、弘法大師が多く、神様、天神、犬神、お釈迦様、聖徳太子などです。

(神奈川県藤沢市石川)

 

 

 

 

兎と猿と蛙の寄り合い餅

昔、山の頂上で兎と猿と蛙が集まって、餅をついて食べようという相談がまとまりました。

 

そこでお米をといだり、火を焚いたりとめいめいが力を合わせて餅つきの仕事に精を出しましたので、臼の中にはまっ白なお餅がつきあがって暖かそうにほかほかと湯気を立てています。

 

 

兎と猿と蛙は、ここでただ食べてしまうのでは面白くないので、何とかもう少したのしく遊ぼうではないかと考えました。

 

臼に餅が入ったまま山の上から転がして、誰がちばん早く食べるか競争しようということになりました。

 

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気の早い兎は話がすむかすまないうちに、ぴょんぴょんと山を下って行って、下で手をついて臼の転がってくるのを待っていました。

そこへ上から臼がころがり落ちて来たのですからたまりません。

臼の下敷きになって兎の手は折れてしまいました。それでこの時から兎の前足は短かくなったということです。

 

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猿は、山を下りるのにお尻の下に木の枝をしいてするするとすべり下りて来たので、お尻はすれてまっ赤になりました。今でも「猿のけつはまっかっか」とはやされています。

 

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蛙は、兎や猿のように早く走れないのでのっそのっそと山を下りて来ました。

すると途中の木の根っこの所に、転がりおちた臼からこぼれた餅がごってりとひかかっているではありませんか。

「これは、これは、ありがたい」と、蛙は餅をさんざん食べました。それで今のようにおなかが大きくなちゃったということです。

(神奈川県)